義足の技術進歩とアスリートの身体が融合する障がい者スポーツの世界【トレラボ(トレーニング・ラボ)】

2016.11.4 SPORTS ,
義足の技術進歩とアスリートの身体が融合する障がい者スポーツの世界

2016年9月7日から18日にかけて、ブラジル・リオにてパラリンピックが開催されました。パラリンピックは身体に障がいを持つ競技者が参加するスポーツ大会です。健常者と同じルールで競う競技もありますが、健常者とは異なるルール、あるいは障がい者独自の器具を使用して競う競技も多くあり、中でも器具が重要な要素となっているのが義足の分野です。

 
 

競技特性に特化させた

スポーツ競技用義足の登場

 

スポーツ競技用義足の進歩が大きく注目されたのは、南アフリカの選手、オスカー・ピストリウス選手の活躍が大きいでしょう。ビストリウス選手の愛称は「ブレードランナー」。これは使用している義足が、湾曲した1枚のカーボン製板バネで作られていることに由来します。一般的な義足は膝関節や足首などを持っていますが、競技用義足はその競技に特化した機能のみを有していれば問題ありません。そして軽く、それ自体がバネの機能も持つカーボン製の義足は、陸上競技に必要な機能を充分に有しており、現在はより軽く、より反発力の大きい義足の開発が日々続けられています。

 

片足か両足か?

義足もアスリートも進化を続ける

 

義足が両足か片足か、そして膝関節の有無も大きな要素です。膝関節がある場合は健常者と同様に、膝を曲げ伸ばししての走法となりますが、膝関節がなく太ももに直接義足を装着する場合は、義足を曲げられないため、蹴った足は伸びた状態のまま外側に振り回して前方に戻す走法となります。また、片足義足の場合はスタート時、健常な足で強く蹴りスタートできるため、両足義足より有利となります。しかし、距離が伸びるほど義足の軽さと反発力を活かす回数が増えるため、両足義足が有利になると言われています。義足の機能を活かすための走法なども、選手らの努力により日々改良されているのです。

 

技術の進歩が変えていくスポーツの今後

 

義足の進歩が続けば、義足装着のランナーが健常者の記録を抜くのが当たり前になるかもしれません。また、パラリンピックに対する視聴方法も、どの選手がどんな義足、器具を使い、どんな技術を披露するかというテクニカルなものに変わりつつあります。オリンピックとパラリンピックを融合させ、健常者の部、障がい者の部のようにひとつの大会とすることも議論されるなど、障がい者スポーツを取り巻く環境も変化を見せてきました。もしかしたら、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が持つ陸上100m、200mの世界記録が障がい者により塗り替えられるのは、2020年東京パラリンピックかもしれませんね。

 

【Reference】http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/091200067/091600002/